アメリカの住宅市場はクラッシュする?今後の見通しは?
ハワイで住宅を購入しようと考えている方、アメリカの専門家のアメリカの住宅市場の見解のご紹介です。
「住宅価格が高すぎる…そろそろ下がるのでは?」と思っている人も多いかもしれません。でも、専門家の見解では「住宅市場が崩壊する可能性は低い」というのが大方の予想です。
現在のアメリカ住宅市場は、価格が依然として歴史的な高水準にあります。FRB(連邦準備制度)の利下げも期待されましたが、住宅ローン金利の大幅な低下にはつながらず、今も30年固定ローンの平均金利は7.0%と高止まりしています。それでも住宅価格が大きく下がらないのには、いくつかの理由があります。
住宅価格が下がらない5つの理由
1. 住宅供給がまだ足りない
住宅市場がクラッシュした2008年当時と違い、今は供給が圧倒的に少ないのが現状です。中古住宅の市場供給は3.5か月分しかなく、本来バランスが取れるとされる5〜6か月分には届いていません。この供給不足が価格を押し上げています。
2. 融資基準が厳しくなっている
リーマン・ショック前は「誰でも住宅ローンが借りられる」状態でしたが、今はそうではありません。現在の住宅ローン申請者の平均クレジットスコアは772と非常に高く、安易な貸し出しがないため、ローンの延滞や差し押さえが増えるリスクが低いのです。
3. 差し押さえ(フォークロージャー)の増加がない
リーマン・ショック後、多くの家が差し押さえとなり市場に大量の物件が出回りました。しかし現在、差し押さえ件数は2024年時点で約32万件と、2010年のピーク時(約290万件)と比べて大幅に減少しています。住宅を手放す人が少ないため、市場に急激に物件が増えることはなさそうです。
4. 新築住宅がまだ足りない
過去の住宅バブル崩壊の後、建設業者は新築住宅の供給を大幅に減らしました。その結果、新築物件の供給が追いつかず、今も新しい住宅の建設が間に合っていません。
5. 住宅を欲しい人はまだ多い
アメリカではミレニアル世代(1980〜1990年代生まれ)が住宅購入の中心層になっています。この世代は今まさに「家を買いたい」と考えている時期。また、移民の増加も住宅需要を支えています。
住宅市場の現状データ(2025年2月時点)
30年固定ローン金利:7.0%
中古住宅の中央値価格:39万6,900ドル(1月として過去最高)
市場供給量:3.5か月分(5〜6か月が理想)
2024年の差し押さえ件数:32万2,103件(2010年比で89%減)
今後の住宅市場の見通し
結論から言うと、住宅市場がクラッシュする可能性は低いです。むしろ、今の高価格は今後も続く可能性が高く、価格が下がるとしても大幅な下落ではなく「緩やかな調整」にとどまるでしょう。
ただし、もし住宅ローン金利が大きく下がると、新たな買い手が一気に市場に流入し、価格がさらに上がる可能性もあります。「今は高いから買わない」と思っている人が、金利低下を機に購入を始めると、競争が激化して価格が押し上げられるからです。
まとめ
住宅価格は歴史的に高いが、大暴落する可能性は低い
供給不足・厳格な融資基準・低い差し押さえ件数が市場を支えている
住宅を欲しい人(ミレニアル世代・移民層)が多く、需要は依然として強い
今後も価格は高止まりする可能性が高く、大幅な値下がりは期待しにくい
「家を買うタイミングを待つべきか?」と悩む人も多いと思いますが、今後も価格が下がる保証はありません。
もし購入を検討しているなら、金利や市場の動向をしっかり見極めつつ、良い物件が見つかったら決断するのも一つの選択肢になりそうですね。
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